mindlax

睡眠中のα波周波数特性と健康・不眠症

2023/03/10
MindLax

睡眠脳波計に現れるアルファ波は、覚醒と睡眠の中間に位置する生理的で短い覚醒状態を示している。このような微小状態は、不眠症の人が経験する睡眠の質の低下の原因ともなり得る。このような病的な覚醒と生理的な覚醒を区別するために、睡眠開始前に観察される一過性の覚醒と覚醒の間のアルファ波の特性の違いを研究した。睡眠健常者と不眠症患者の睡眠ポリグラフ・データセットにおいて、リラックス状態、睡眠開始前の覚醒状態、睡眠開始後の覚醒状態、睡眠の覚醒状態からアルファ波を抽出した。このうち、アルファ波の周波数と変動は、逆ピーク・トゥ・ピーク間隔の中央値と標準偏差で求めた。睡眠開始前、不眠症患者は健常者と比較してアルファの変動性が低下していることが示された。睡眠開始後は、両群ともアルファ周波数の低下パターンを示し、睡眠開始後の覚醒時間が短いほど低くなった。不眠症患者においては、睡眠開始後の覚醒時間が短いほど、アルファの変動が大きくなった。両群間で大きな違いが見られたのは、覚醒時であった。特に、不眠症患者のアルファ周波数は覚醒時のレベルまで回復したが、健常者のアルファ周波数は睡眠導入後の短い覚醒時の減少したレベルのままであった。睡眠導入期後の覚醒時のアルファ周波数の減少は、そのような短時間の覚醒について記述された睡眠と覚醒の間の微小状態に関連しているのかもしれない。睡眠前のアルファ変動の減少は、不眠症におけるアルファ生成メカニズムの機能不全を示すかもしれない。また、アルファの特性は、他の睡眠障害や注意障害の研究においても有用であることが証明されるかもしれない。

当記事のウェブサイト:https://www.zepan.jp/blogs/mindlax/alpha-wave-frequency-characteristics-in-health-and-insomnia-during-sleep
おすすめの記事